失われた鴨々川の詩情を誘うヤナギ並木
中島公園西側の遊歩道、日本庭園、豊平館、札幌コンサートホール・キタラの裏に当たる歩道がある。しかし、ここを歩いて、札幌で一、二といわれるヤナギ並木と思う人は居ないと思う。ヤナギが数本しかないからだ。
その代わり、イチョウが30本あり、ヤナギが倒れた跡の樹木升が沢山ある。山崎長吉著『中島公園百年』北海タイムス社 1988年発行に、次のように書いてある。
「鴨々川には中島橋がある。中島橋はかって中島公園への正面入口であった。(中略)そこから川ぶちにシダレヤナギが続く。札幌で一、二といわれるヤナギの街路樹は詩情を誘うに十分なものがある。その数64本、一部は補植されている」。
札幌で一、二といわれた、詩情を誘うに十分なヤナギ並木は、1988年には補植を含めて64本あった。それが24年たったら21本と激減、9年後の現在は8本、その内3本は危険木として伐採予定になっている。5本に減るのは時間の問題である。
2021年9月23日現在、ヤナギ8本(3本危険木)、イチョウ30本、そして、何も植えられていない植樹升が25カ所ある。
日本庭園、豊平館の裏に限ると、ヤナギ7本(危険木2本)イチョウ5本、植樹升12ヵ所。危険木伐採後は、ヤナギ5本イチョウ5本、植樹升14ヵ所となる。私は残されている植樹升に注目している。
短期間にヤナギが激減した理由は、ほぼ明らかになっていると思う。そして、当局はヤナギ並木の復活の方法を検討しているのかも知れない。放置されている樹木桝にヤナギがが植えられることを願っている。
ヤナギ並木壊滅への詳細はこちら → 失われた景観:鴨々川ヤナギ並木
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